一昨日の記事の続きです。
映画「ハードキャンディ」では女の子が中年男性(32才ですから本当は中年とは言えないんですが)を去勢しようとします。
すでに書いたようにこれは男の悪夢ですね。
ところで、去勢は英語でもフランス語でも「castration」といい、もともとはラテン語から来ています。
昔は刑罰として行われていましたが(宮刑と言います)、みずから望んで去勢する人もいました。
去勢は中国から多くの文化を吸収してきた日本に珍しく根付かなかった習慣で、放牧をしない農耕民族であったためだと言われています。
そして、去勢された男性が宮廷などで重要な役職を務める宦官は中国が有名ですが、エジプト、メソポタミア、ペルシアなどの古代東方諸国、オスマン・トルコ、ギリシア、ローマ、そしてインドのムガール帝国にも存在したそうです。
特に中国では、昔は宦官になることが貧しい家に生まれた子供のほとんど唯一の出世手段だったと言われています(他に科挙に受かるという方法がありましたが、これは世界で最も難しいと言われる試験ですからまず無理です)。
このあたりのことは浅田次郎さんの「蒼天の昴」に詳しく説明されていますので、興味のある方は読んでください(小説自体も名作ですから、損はないと思います)。
そう言えば、かなり前に「カストラート」という映画がありました(この映画も面白いですよ)。
18世紀のヨーロッパに実在した、ボーイソプラノを維持する為に去勢されたバロック・オペラの男性歌手の話です。
当然ながら現在ではこんなことは許されませんが。
大体、この映画は別にして、宦官が取り上げられた小説や映画は非常に少ないと思います。
多分、歴史の暗部なんでしょうね。
それから去勢にはいくつかの方法があります。
しかし、ここで詳しく紹介するのはあれですので、興味のあるかたは自分で調べてください。
ちょっとマニアックな方向に行きそうですので、この辺で止めておきます。
では。
では
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