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テレビドラマを見ていると呪いで人を殺すといった場面が出てくることがあります。
では、この呪いを行った人は法律的に見て有罪になるでしょうか。
実は、法律では心霊現象の存在は認められていません。
たとえば、刑法には「不能犯」といった考え方があります。
行為者が、本来、犯罪の完成に至るべき危険性を含んでいない行為により犯罪を実現しようとした場合には、罪に問われないんです。
ちょっと難しいかも知れませんので説明します。
丑の刻参り(藁人形に五寸釘を打ち込む呪いの方法)を行っても、他者に実害は発生せず、「呪い」という、現代においておよそ非科学的な方法で犯罪を実行することは不可能と考えられているわけです。
これは行為者の意志には関係ありません。
たとえ、明白な殺意をもって、わら人形に釘を打ち込んでも、さらには、万が一、対象となった人間が死んだとしても、呪いをかけた者がそれだけで逮捕されることはないんですね。
しかし、法律でオカルト・心霊現象の存在を否定することはできません。
日本では信教の自由は憲法で保障されているからですね。
宗教と超常現象は密接な関係があることは誰にも否定できないと思います。
そして、神を肯定することは奇跡や超常現象、さらには悪魔の存在をも認めることになるはずです。
法律でこのあたりの問題を解決することは多分無理ではないでしょうか。
科学とオカルトは相反するものとして見られることが多いようですが、私は対立するものではないと思っています。
科学とは人間の理性的な部分を体系化したもので、宗教とは非理性的な部分を体系化したものです。
そして、オカルトとは非理性的な部分の中でも特に暗い領域のことです。
余談ですが、元々、オカルトはラテン語のoccultare(隠す)から来ています。
オカルト否定派は、このコンピュータの時代にとよく言います。
しかし、科学の進歩とオカルトの存在とは関係がありません。
どれほど科学が進歩しようが人智を超えた不思議な事象がなくなることは決してないでしょう。
科学が進歩すればするほど解明できないことが増えていくとも言えます。
人間が考えるとはどういうことか、人間の意識とは何か、コンピュータが意識を持つかなどといったことさえいまだにわかっていません。
科学とはものごとの因果関係や対応関係を解明するものです。
そして、その再現性や反復性を検証します。
しかし、当然ながら論理的に対応関係を説明することはできないことも世の中には多数あります。
そうしたものについては、わからないものはわからないとして棚上げしておくしかないんですね。
一方、オカルト信奉派は科学は万能ではない、限界があるとことあるごとに言います。
しかし、だからといって、オカルトの存在が証明されたことにはなりません。
オカルト信奉派は何でも安易に心霊現象に結び付けようとする傾向があり、ろくに検証もせずに結論を出した気になっていることが多いようです。
一見不思議に思える事象が発生した場合には、まず徹底的に検証しなければいけません。
そして、それでも解明できないのであれば、心霊現象の可能性があるかも知れない程度の結論を出しておけばいいんですね。
科学的な態度とは決して科学的に証明されないものをすべて頭ごなしに否定することではありません。
また、不思議な事象を何でもオカルト的に解釈するのも間違っています。
現在の知識レベルでは、いずれの姿勢にも偏った結論は出すべきではないでしょう。
では
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