シンクロシニティの話

「シンクロシニティ」という言葉をご存知でしょうか。知っている人は知っているし、知らない人は知らないでしょう(当たり前ですが)。

これは心理学者、ユングの造語で、「共時性」と訳されていますが、何のことかわからないと思います。パラサイコロジーが好きな人にはなじみがあるかも知れませんが。

いくつか例を上げましょう。

有名なところでは「図書館の天使」の話があります。

レベッカ・ウェストという作家が、ある時、ニュールンベルク裁判の死刑囚のひとりに関するエピソードを調べていましたが、必要な本がなかなか見つかりません。

彼女は困って、図書館を一時間もうろうろした挙句、図書館員に「ちょっと教えていただきたいんですが……」と言いながら、何気なく手近の本を一冊引き抜いて開いたら、それが彼女が探している本でした。

また、生物学者パウル・カメラーの日誌にはこんなエピソードが書かれています。

ある人がコンサートに行くと、座席番号が九番でクローク札も九番でしたが、次の日、別のコンサートで、彼は二十一番の席に座り、クロークの札も二十一番でした。

誰でも似たような経験をしたことがあるでしょう。

私にもあります。

大昔のことですが、あるとき、法律関係の本を読んでいて、Beyond a Reasonable Doubt「合理的疑いを超える」という言葉が出てきました。

要するに「常識的に考えれば誰が見ても疑わしい」といった意味で、何か変な感じがする言葉なので、記憶に残ったんですね。

そして、次の日に見た映画のタイトルが正に「Beyond a Reasonable Doubt」だったんです。

また、本(科学関係)を読んでいて「自然発生」と言う単語に出会い、面白いので覚えていたら、次の日に通訳の仕事でパスツール研究所に行った時にこの言葉が出てきたことがあります。

フランス語では「Génération spontanée」と言いますが、前もって知らなければ訳せなかったでしょう。

要するにシンクロシニテイは、一定の継続的時間のうちに起こる何となく気になる偶然の積み重ねですね。

そのために、シンクロシニテイは意味のある偶然と表現されることもあります。

少々詳しく説明すると、因果とはAという原因からBという結果が起きることですが、結果のところ、つまり果が不確定だったり、多様だったりするものがあります。それが偶然です。

Bと云う結果に繋がるA系統の因果とイと云う結果に繋がるア系統という因果があるとすると、それぞれの系統は因果律で説明できます。

そして、本来はまったく関係がないずのA系統の因果とア系統の因果が交差する偶然が起きることがあるわけです。

あることに意識が集中した場合、それに関連する様々な出来事が連続して起きる。これは人の隠された能力かもしれません。

訓練をすればシンクロシニテイを意図的に起こせるとの説もありますので、興味がある方はためしてみてください。

では。

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