昨日までの文章の続きです。
ということで、今日はまず昨日書いた20年ほど前に母親を亡くしたときのことを少し詳しくお話します。
当時、フランスから帰って来た私は母親と2人暮らしで、経済的にそれほど困窮していなかったこともあり、毎日ぶらぶらしていました。
それで、ある日外出から帰ってくると、母親が浴室で倒れていたんですね。
驚いた私はすぐに救急車を呼びました。
しばらくして到着した救急隊員によると、母親はすでに亡くなっているとのこと、そして、救急隊員の到着時にすでに死亡している場合は、死亡診断書は出せないのことでした。
この場合、警察による捜査が必要です。
実際、私も刑事に事情を聞かれました。
なんでも母親の額に打撲痕があり、私が殴った可能性もあると思ったらしい。
もちろん、私がそんなことをするはずもなく、他の状況を見てもそんな様子はなかったので、すぐに疑いは晴れましたが。
母親は浴槽を洗っている最中に発作に襲われ、倒れ込んだ拍子に額を打ったようです。
それはいいとして、その後、母親の遺体は病院に搬送され、検死(司法解剖)を経て、死体検案書が発行されました。
しかし、その後のことについては、知識がまったくない私は途方にくれて、オロオロするばかり。
それでもなんとか町内会の会長を思い出し、相談すると葬儀業者を紹介してくれました。
葬儀業者はやはりプロですね。
通夜、告別式、火葬等々、すべてをサクサクと進めてくれ、私は見ているだけ。
ただし、費用は、昨日書いた全国平均をかなりオーバーした金額を請求されました。
まあ、3分の1くらいは香典でカバーできましたが。
とはいえ、やはり高い。
日本では(ひょっとしたら外国でも)、高齢の親がいる人でも、本人がまだ生きているのに葬式の話をするのは、失礼だとか、縁起でもないと思う人が多いようです。
しかし、死は突然に訪れるものですから、やはり葬式については普段から考え、準備しておくことが必要でしょう。
そうすれば不必要な多額の出費を避けることができます。
私の母親は心臓発作が死因だったのですが、そんな徴候はまったくなかったので、まったく考えていなかったんですね。
今でも、普段から考えておかなかったことを悔やんでいます。
それで、どのように出費を抑えるかですが、私は葬儀を直葬にすることをお勧めします。
先祖代々の宗派がある、すでに墓地がある、または、親戚等からの圧力がある場合は別ですが。
直葬式とは、火葬のみを行う葬儀形式で、通夜・告別式は行いません。
日数がかからず、葬儀会場も借りなくて済むため、費用はかなり安くすむでしょう。
ただし、直葬式の場合でも葬儀業者に依頼し、火葬の手続きを行う必要があるため、10万円から40万円程度の費用はかかります。
また、埋葬と墓地ですが、一昨日に書いたように、散骨にすれば両方とも必要ありません。
墓地は買うと高いし、墓石もピンキリですが、何十万円から数百万円もしますからね。
ついでに書いておくと宇宙葬の費用は最低120万円とのことです。
これでも通常の葬式よりかなり安い。
ということで、繰り返しますが、皆さんも普段から葬式のことは考えておいたほうがいいですよ。
そうすれば、そのときになってあわててしまい、不必要な大金を出費するなんてことを避けることができますから。
では