かなり前のことですが、テレビのある番組でMr.マリックと超能力者が共演していたことがあります。
Mr.マリックはマジシャンですから、透視や読心術は勿論、※、テレキネシス(念動)、なんでもやってみせます。
※テレビ番組ではこう言っていましたが、実際にやったことは念力による物体移動ですから、アポートですね。テレポテーションは人間が瞬間移動することで、これもマジックでは定番です。
勿論、タネはありますが。
これに対して、超能力者(女性)がやったことと言えば、目の前に置かれた黒い箱の中のものを当てることでした。
箱は2つ用意されていて、片方には携帯電話、もう一方には眼鏡が入っていました。
入れたのはMr.マリックで、絶対に外からは見ることができないとの保証付き。
しかし、彼女はすぐには答えられず、最初は携帯電話は何か四角いものと言い、眼鏡については下手な絵を描きました(超能力の前に絵の練習をしたらいいのに)。
結果的には中身を当てたのですが、時間かけすぎですね。
Mr.マリックは凄いすごいと言っていましたが。
これでも、中国一の超能力者との触れ込みなんですね。
もっとびっくりするようなことができる人間がいてもいい思うのですが、Mr.マリックが唯一本物と認定した超能力者だそうです。
つまり、他の超能力者はみんなイカサマだと言っているわけです。
プロであるMr.マリックの目は誤魔化せないと。
ただし、ショービジネスの世界に生きているMr.マリックが本当のことを言っているかは大いに疑問の余地があります。
まあ、いずれにしても、この透視のショボイ感はぬぐえないですね。
しかし、その時にVTRで紹介されていた旧ソ連の軍事研究に参加していたという超能力者も負けず劣らずショボいことをしていました。
この超能力者のショボさですが、たとえば目の前のコンパス(磁石)の針を念力で動かしたりします。
それから同じようなものですが、針の上に銀紙を乗せて回したりもしていました。
勿論、軍事研究ですから何らかの兵器として、利用するつもりだったのでしょうが、この程度の能力でアメリカにどうやって対抗するつもりだったのやら。
飛んで来るミサイルを落とすなんてことが目的だったそうですが、これでは絶対に無理でしょう。
まあ、冷戦中は両陣営共必死でしたから、どんなに馬鹿げて見えることでも、大真面目に取り組んでいたんでしょうが。
予算もかなりかけていました。軍事目的であれば結構お金が使えたようです。
しかし、結局ほとんど成果は出ず、旧ソ連でもアメリカでも国家としては超能力研究から撤退しています。
もっと、効果的な兵器がいくらでもありますからね。
超能力のような怪しげで、それでなくても不安定なものに期待するのは止めたわけです。
それから、同じ日に別のチャンネルで、超能力捜査官や警察の調査に協力している超能力者が、殺人事件や失踪事件を調査していました。
彼らはなかなか素晴らしい経歴を持っていて、沢山の事件を解決してきたとの触れ込みです。
それで写真や遺留品等を通して透視を行い、犯人は行方不明になった人の行方を探っていました。
そして、番組のスタッフはその超能力者の指示に従って、各地に飛び、聞き込みを行っていましたが、結局なんの手がかりも得られませんでした。
まあ当然ですね。今まで、テレビのこうした調査で実際にまともな成果を得られたことは一度もありません。
ある意味、これは当然でしょう。
昨日、紹介した中国一の超能力者が目の前の箱の中のものを当てるのに四苦八苦しているのに、写真や遺留品だけでそんなに正確な透視ができるはずがありません。
しかし、殺された人や失踪した人の家族にインタビューまでしていましたが、何の意味のないこんな企画に引っ張り出して、少しでも空しい期待を抱かせたことをどう思っているのでしょうか。
今後もこうした企画がなくなることはないでしょうが、下らない、ショボい能力をまるで奇蹟でもあるかのように言い立て、何の成果も出せないのに、意味なく人を傷つけるのはいい加減止めて欲しいものですね。
では。