少し前の私の記事に歌手の中森明菜さんが「おかしくもないのに何で笑わなきゃいけないのよ」といった話を取り上げましたが、そういえば同じようなことを書いている作家がいたことを思い出しました。
「限りなく透明に近いブルー」で芥川賞を獲った村上龍氏です。
たとえば、「ワイン一杯だけの真実」には「・・・ただ寂しさを紛らわすために、笑いたくないときに笑い、話したくないことを話し、聞きたくないことを聞く人々が大勢いる・・・」とあります。
複数の作品にこのような表現が出てきますから、これは村上氏の考えと判断してもいいでしょう。
要するに自分は群れない、飼い馴らされない、特別な存在なんだといいたいのでしょう。
しかし、私にいわせれば、格好を付けているだけですね。
人間は社会的動物なのです。
そのため、自分が敵ではないことを相手に示すために笑う。
いってみれば社会生活上の潤滑油のようなものです。
それを否定するのは、甘やかされてきた、わがままが許されてきただけのことでしょう。
中森明菜さんも村上氏も会社務めはしたことがないようですし、若くして成功したために、それで済んだのだと思います*。
*村上氏は武蔵野美術大学在学中に芥川賞を獲り、その後ずっと作家として第一線で活躍しています。
人間として未熟なだけ。
普通の人はそんな生き方はできません。
笑いたくないときに笑い、話したくないことを話し、聞きたくないことを聞かなければいけないんです。
そういえば、私の記事にブログ友達のricaさんから、以下のようなコメントをいただきました。
「息子たちがアルバイトしていたファーストフードチェーンは、前スマイル0円とメニュー表示されていましたが、今はどうなんだろう…
確かにおかしくもないのに、ニコニコ仕事をしている人達はいっぱいいそうです。世の中無愛想な人に厳しい気がします。
子どもの頃は怖い看護婦さん、お医者さんとかもっといたような…最近病院や検診で患者様扱いが居心地悪いのは私だけでしょうか?
あたりの良さが求められ過ぎて、ストレスが多い社会になっていないか気になります」
私の返答は以下のとおりです。
「おはようございます、ricaさん
おっしゃることはわかりますが、笑顔は無理やりなものでも健康に良いといわれています。
無愛想な人もできれば自分のためにも、そして周りの人たちのためにも笑顔を作ったほうがいいですよ。
苦虫を潰したような顔と定評がある私からの身の程知らずの提言でした」
そうなんです。
確かに強制されて笑顔を作るのは負担に思うかも知れませんが、まず、自分のために笑うと考えればどうでしょう。
なぜなら、笑いは、がんやウイルスに対する抵抗力を高め、同時に免疫異常を改善しするといわれているからです。
また、リラックス法として非常に有効であることが科学的に証明されており、ストレス解消にも非常に有効です。
そして、嬉しいことに、たとえ作り笑いであっても、ナチュラルキラー細胞が活性化したり、副交感神経が優位になり、本当に笑った時と同じ効果が期待できるんですね。
ですから、笑う気分になれない時でも、口角を上げて笑ってみましょう。
さらに、笑顔は人に伝染しますから、世の中全体が笑顔で満たされるようになります。
みなさんは中森明菜さんや村上氏のようなケチ臭いことをいわないで、笑いたくないときでも、積極的に笑ってください。
では