今日はある夫婦の離婚を分析しましょう。
Aさんは、ある晩、接待を終えて帰宅すると奥さんはおらず、食卓の上に短い手紙が置かれていました。
「別れてください。詳しいことは弁護士から連絡します」
Aさんにとっては青天の霹靂です。
思い当たるところがまったくありません。
結婚3年目で、まったく喧嘩がないわけではなかったものの、年に1度は旅行に一緒に行き、お互いの友人も紹介し合い、うまくいっていると考えていました。
一方、奥さんは少し前から準備をしていたのですが、夫は何も気づいていないと確信して心が冷えていきます。
夫は相変わらず「仕事だから」と酒の臭いさせながら深夜に帰宅。
妻が専業主婦でいられることが自分の手柄のような顔をして、夜食を用意させ、靴下をリビングに脱ぎ捨てたまま、風呂に入りに行きました。
自分から今日の出来事を話しかけることは久しくありません。
どうせ返ってくるのは「疲れているから、週末に聞くよ」だからです。
Aさんには本当に身に覚えがありません。
浮気はしていないし、家事に煩いことはいいませんし、彼女の誕生日も結婚記念日も忘れたことはない。
自分は十分に努力していたし、妻にも不満はないと信じていました。
しかし、妻が一番嫌だったのは夫の顔でした。
Aさんはいつも「してやっている」という表情になっていたのですが、気づいていなかったようです。
仕事をしてやっている。どこどこに連れて行ってやっている。話を聞いてやっている。喧嘩の後は俺が謝ってやっている。
人は危機状況になっても「まだ大丈夫」、「大したことはない」と考えるものです。
これを「正常性バイアス」と呼びます。
また、奥さんには「自己奉仕バイアス」がかかっています。
人の失敗が目に付き、すべて他人が悪いと考えるわけです。
こうしたケースは本当によくあります。
簡単に言えばコミュニケーションが足りないわけです。
たとえば、Aさんはどんなに疲れていても少なくとも毎日30分でも奥さんの話を聞いてあげればこんなことにはならなかったでしょう。
また、奥さんも不満の吐き出し口を持っていれば、突然離婚を申し出ることはなかったでしょう。
かなり変わってきたとはいえ、今でも専業主婦を望む夫や妻が多いようですが、妻が仕事を持ち、家事を分担すれば夫婦の危機を避けられるでしょう。
本日は以上です。
では
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