過去の改変と愛の復活

かなり昔の映画ですが「イル・マーレ」(2000年、韓国)という作品があります。

なんでも韓国では大ヒットしたとのことです。

ストーリーをごく簡単に紹介すると、同じ家に2年の月日を隔てて住む男女が不思議な郵便ポストを通じて時空を越えた文通をする話ですね。

そう云えば、この時空を超えたやりとりとのアイデアは、「オーロラの彼方」(1999年、米)でも見られます。

こちらのほうは、オーロラが生んだ時空の歪みによって、1969年と1999年が無線を通じて繋がれ、別々の時代にいる父親と息子が交流する話。

割りと似ているので、どちらかの映画の脚本家がアイデアをパクったのかと思いましたが、同じ年に公開されていますので、ひょっとしたら偶然かも知れません。

まあ、SF小説なんかではありがちなアイデアではありますが。

ところで、両方の映画で、主人公たちは過去を改変しようとします(ようやく出てきましたが、これが今日のブログのテーマです)。

しかし、これはそんなに簡単な問題ではないでしょう。

有名なタイムパラドックス(過去に戻って自分の父親を殺せば、自分はどうなるか?)以外にも様々な難しい問題が考えられます。

たとえば、「イル・マーレ」では恋人を失った女性主人公が過去にいる男性主人公に、昔の彼女に忠告をして、失恋を防止してくれるように頼みます。

そして、それが悲劇を呼んでしまうのです(礼儀ですのでネタばれはしません)。

※余談ですが、「イル・マーレ」はハリウッドでキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックに主演でリメイクされています(2006年)。

タイムパラドックス関係で云えば、「バタフライ・エフェクト」(2005年、米)という作品もあります。

時間を遡る能力を持つ主人公(タイムマシンを使用するのではなく、精神的な力でタイムトラベルする)の話です。

ここでも彼は過去に干渉することによって、現在の不幸な状態を改変しようとしますが、なんど試みても結果は悪いほうに転がってしまします。

要するに原因と結果は単純に目に見えるような形で繋がっているのではなく、様々な要因が複雑に絡まりあっているために、思い通りにはならないのです(ここで昨日の話と繋がります)。

そこからこの映画の題名※も取られていますが、ただし、映画のテーマは本来の意味からはずれているようです。

※バタフライ・エフェクト(効果)とは、カオス理論を端的に表現した思考実験のひとつで、決定論的な法則でも、初期条件のわずかな差が挙動の大きな違いを生み、その予測が困難化すること。「北京で蝶が羽ばたけば、ニューヨークで嵐が起きる」とするたとえ話が有名。

ところで私は、恋愛にも同じことが言えるのではないかと思っています※。

※勿論、本来バタフライ効果とはいわゆる複雑系と言うか、気象や株式などの値動きを対象とするものなので、単純に恋愛に当てはめられるものではないかも知れないませんが。

上に紹介した「イル・マーレ」の女性主人公にしても、失恋の原因を簡単に考えすぎているようです。

恋愛はたった一つだけの原因から壊れるわけではありません。

仮に過去に戻ってやり直したところで結局破局は避けられなかったでしょう。

私も占いで、失恋した女性からなんとかやり直したいといった相談を受けることがしばしばあります。

しかし、多くの場合これはかなり難しい。

愛の復活を望む人は、往々にして意識的にか無意識的にか現実を見つめず、破綻した原因を単純に考えすぎている傾向があります。

たとえば、彼が他の女性に心を奪われた場合、彼女さえいなければと思うかも知れませんが、実際にはその女性がいなくても、彼が心変わりしない保証はないでしょう。

本当の原因を知らずに、愛を取り戻すことは不可能であるのは当然のことですが、残念ながら結局のところ何をどうしても愛の破綻が不可避であることも多いのです。

人の心の移ろいをとどめることは多分誰にもできないのでしょう。

では

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