ラポールを構築する

今日はラポールの話をします。

ラポールと言うのは元々はフランス語(「rapport」と書きます)で、「関係」といった意味を持っています。

ただ、心理学においてはやや特別の意味が与えられていて、たとえばカウンセラーと患者の間で使われます。

要するに相談する側とされる側の信頼関係といった感じですね。

そして、これはや占い師とクライアントの間にも使うことができます。

当然ながら占い師にとってもラポールは非常に重要なんですね。

ですから、様々な方法で早くラポールを築こうとします。

すべてを紹介することは出来ませんが、一番簡単なものを上げてみます。

まず、会話で相手の名前を頻繁に口にするというのがあります。

あまり日本人はやらないようですが、アメリカの映画やドラマを見ているとやっていますよね。

「グッド・モーニング、ミスター○○」とか「ようこそ、ミス○○」といった感じ。

会って間もないのにファースト・ネームで呼ぶこともあるようですが、あれは互いの距離を縮め、仲良くなるために非常に有効なのです。

人は頻繁に名前を呼ばれると何となく親しみを覚えます。

ただ、日本ではよく知らない人を下の名で呼ぶのは失礼ですから、ちょっと事情が違いますが。

そう云えば、昔、パリで通訳をしていた時に日本から来たどっかの県会議員だか市会議員が初対面なのに私の名前を本当に頻繁に会話に挟んだことを覚えています。

ちょっと違和感があるくらいでしたが、意識的にやっていることはよくわかりました。

議員の処世術なんでしょう。

人は名前を呼ばれるとなぜ親しみを持つのでしょうか。

自分に対して潜在的に強い関心を持っているからです。

そのためにどういう風に呼ばれるかで相手に対する印象も変わってきます。

自分が注目されていると感じると潜在心理がくすぐられて気持ちがいいんですね。

だからそういう相手には好意をもってしまいますし、お互いに親密感も生まれるわけです。

ついでに言えば、アメリカの心理学者によると、話をする時に「私」よりも「私たち」を多く使ったほうが聞き手の関心を引き易いとのことです。

「あなたたち」だと、話し手である自分と聞き手とは別の存在であることが強調され、突き放した言い方に聞こえるわけです。

それに対して「私たち」は同じ立場という一体感を生み出します。

ただし、英語と日本語ではかなり違いますから、この理論をそのまま適用することは難しいでしょう。

とにかく、自分は相手と同じ側に立っていると思ってもらえるようにすることですね。

それから、会話に名前を入れるのは相手が喜ぶとは言え、程度を考えないといけないでしょう。

あまりあからさまだと相手は違和感を感じますし、人によっては馴れ馴れしすぎると嫌がるかも知れません。

要するに相手にまた話しをしたいという思いを抱かせることなので、十分に注意して、ラポールを築かないといけません。

上に書いたこと以外にも、さまざまなラポールを築くためのテクニックがあります。

一番、有名なものは「ミラーリング」でしょうか。

これは英語の「mirror」(鏡)から来た言葉で、要するに相手の動作をそのまま真似ることです。

喫茶店で向かい合わせまたは隣に座って、鏡に映したように相手と同じ動作をするんですね。

相手がカップを手に持ったら、自分も持つ。

相手が耳を触ったら自分も触る。

体を動かしら自分も動かす。

とまあ、こんな感じです。

ちょっと難しいかも知れませんが、できれば呼吸のリズムも合わせるといいですね。

これを続けていると相手は無意識にこの人は自分と同じだと感じるようになります。

ついでに書くと、親近感を深めるための、もう一つのテクニックとして、バックトラッキングというものがあります。

簡単にいうと、相手の言ったことを返す、つまり、「オウム返し」ですね。

注意すべきは、相手の使った言葉や表現をできるだけ使うのであって、相手の話した言葉をすべて同じように返すのではないことです。

具体的には、3つの方法があります。

まず、相手の話した事実を返す。 相手の話した感情を返す。

相手の話を要約して返す、ですね。

基本的には、相手の話している事実を反復するわけですが、話しの中で相手が自分の感情を表す言葉を発した際、例えば「悔しかったんですね」といった感じで感情表現を返すと、この人はわかってくれていると思って貰えます。

また、話しが長くなった場合は、話がひと段落ついた時に、話の内容を要約して返してもいいでしょう。

さらに、話す内容、しゃべり方、LINEやメールなどに「頻繁に出てくる単語」を真似て使うようにします。

単語以外にも、方言によるイントネーションや、独特の言い回しなども、それとなく真似してみてもいいでしょう。

ただし、揶揄していると思われる可能性がありますから、注意が必要です。

なにごともやりすぎは避けましょう。

下手をするとストーカー扱いされる恐れがあります。

一気にではなく、少しずつ変えていくと良いかもしれません。

さりげなく、自然に「似ている」と思わせることが大事なのです。

要するに、親近感を抱かせることですね。

そして、一緒にいるとリラックスできる、素の自分がさらけ出せる、居心地が良いと思ってもらえれば大成功です。

では。

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