昨日の文章を補足します。
まず、「すでに『ブス』という言葉がタブーになりましたから、その対極にある『美人』も言っちゃダメというのは、論理的にも当然のことですよね」についてですが、やはり私にはわかりません。
「ブス」は人(主に女性)をおとしめる表現であり、これを使用しないようにすることは間違ってはいないと思います。
言葉狩りとの批判も聞きますが、特定の言葉の禁止というのは実は一つの概念を変えるためには非常に効果があります。
言霊に関係しているのですが、この問題は非常に奥深いので(私のメインテーマの一つです)、また別の機会に取り上げる予定ですのでご容赦ください。
話が逸れましたが、「ブス」がタブーになったからといって、その対極にあるとされる「美人」も使うなのというのはおかしいでしょう。
「美人」は相手を讃える言葉であり、いってみればお世辞ですね。
そして、前にも書きましたが、こういうお世辞は礼儀というか、人づきあいの潤滑油のようなものです。
それを簡単に禁止すればいいというのは理解できません。
次に、「イケメン」について・・・
しかし、「イケメン」にはなにか違和感があるなあ。
何か軽いというか、私くらいの年齢だと「ハンサム」のほうがしっくりきます。
それはいいとして、上野千鶴子氏の主張の「男は多元尺度なんです。たとえばイケメンじゃなくたって、学歴とか地位とか、そういった尺度が男にはあります。男の尺度の中で一番強力なのは金力であり、イケメンかどうかなんてことは、男にとってはマイナー尺度です・・・」のところまでは正しいと思います。
とは云え、「つまり男女のランクオーダーは非対称ですから、『女だって同じことをやっているだろ』とはなりません」、だから「美人」は悪くて「イケメン」は良いというのは強引過ぎるんじゃないかな。
「美人」も「イケメン」もほめ言葉なのですから、どちらも普通に使えばいい。
もうしわけありませんが、私には、「美人」を禁止しろというのは、容貌に自信がない女性が、美人が褒めそやされているのを見て、私は傷ついた、こんなことは止めさせようと考えて思いついたような気がします。
上野千鶴子氏のことだとはいいませんが。
ところで、これも前に書きましたが、私はフェミニズム自体には反対ではありません。
現在の世界の多くの国において社会システムが男性優位になっていることは間違いのない事実です。
そして、これに反発した女性たちが社会進出しようとしている。
これは時代の流れであり、男性がいくら頑張っても、押しとどめることはできないでしょう。
最近のフェミニズム関係の問題は、いってみればこうした過渡期に起きる軋轢や摩擦によるきしみが原因だと思います。
最近の自称フェミニストたちの発言は、より目立ち、注目を集めるために、どんどん過激になっている傾向がありますが、本物のフェミニストたちは男女の分断や対立を望んでいるのではないでしょうか。
今後はフェミニズムがもっと地に足がついた、落ち着いた運動になっていくよう願っています。
ううむ、見事に偽善的な結論だ。
では